昨日の夜は、あの事故の後の初めての当直だった。
システムの入れ替え作業でベンダーの人が遅くまで残っていたけれど、それ以外はやんごとなき夜だった。
合間になかなか読めてなかった「ボールアンドチェイン」の4巻を読む。
この巻でとても大きかったのは、主人公の一人、50歳のあやさんが初めて自分のセクシュアリティを自覚するというところだ。
50にもなってそんなことあるのってやっぱりみんな思うんだろうか、とか考えたりした。自分も今おなじ50歳だけど、そういうことって本当にあるよ、って思ってめちゃくちゃ共感した。
巻末で山崎ナオコーラが書いていたことと似ているけれど、南Q太は無償で開かれた優しさをなんの見返りもなく他人に与えてしまう稀有な人間だと思っているんだけど、相変わらず漫画における厳しさと優しさから本当にそんなことがすっごく伝わってくる気がした。
全く書いていることは違うんだけど、橋本治とそういったところはすごく似ている気がする。いや、残酷に人間を描き出すことが優しさでもあるという意味では共通しているのかもしれない、とか。
夜は早めに仮眠のベッドに潜り込んで灯りをつけたまま寝た。
早朝に厨房の鍵を取りに来る人がいて、その人に鍵を返してからまた眠って、6時過ぎにもう一度起きた。そのすべての時間帯でとても具体的な夢を見て、眠った世界で起こっていたもう一つの人生の残滓を感じながら、薄くなった頭をかき上げながらなんとか目を覚ました。
7時過ぎにシステムの稼働を確認するために早く出勤した上司が来て、そのあと8時前にはMくんが来た。
職員が出勤してくるにはまだ少し早い時間で、昨日セブンイレブンで買ったフエラムネを1個彼に渡し、彼は控えめにピューとそれを鳴らし、私は部屋の外の廊下に響くように強く吹いた。
本当に馬鹿馬鹿しい話だけど、小説「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」に、真夜中に馘になったオフィスに忍び込み、凶暴なフェレットを放って辺りを滅茶苦茶にしようとするシーンがある。
思えば自分は、ずっと職場にフェレットを放ちたいと思っているんだと思う。
それが職場でフエラムネを吹くってことなんて寂しい限りなんだけど、なんていうか、そんなことをずっと、そして今は特に強く求めているような気がする。
久しぶりに食べたフエラムネはおいしかった。
もう仕事を辞めたいなあ、と思う
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