13日が誕生日で、今更めでたいということもないけれど、子供の頃から誕生日の前後には悪いことが起こったり、メンタルが強く落ち込んだりするというのもあって、去年からは有休を取ることにして、なにも予定を入れないで(いつもの休日と同じだけど)過ごすようにした。
でも今年はLINEに出た通知を見たりしてか、いつもより多い人からメッセージが届いたりしてうれしかったというか、そもそも落ち込んでいたので、かなり気持ちが癒されたりした。
なんか何年ぶりなのかわからない友人からLINEが来たりもした。

なんで落ち込んでいたのかというと、ここ数ヶ月くらい特に、これからどうやって生きていけばいいのかということで悩んでいるのだった。
そんなことみんなわかって生きてるわけじゃない、っていうことを言われそうだけど、本当によくわからなくなってきていて。
そう思うとなにか、様々な前向きなことをする気も少しずつ萎え、毎日シフトどおりに仕事に行くようなどうでもいい毎日になってきているのだった。
職場でやりたいことがないわけじゃないけれど、こんな酷い組織を利するようなことをするべきなんだろうかと思うと、なんか本当にもやもやもしたりする。

連休はどこにも行かなかったけれど、近くに住んでる同僚のKさんに誘われてコメダに行った。
まあダラダラと、オーガニックシャンプーを探してるけどどれがいいのかなとか(「ちょっと高いけどジョンマスターとか、あとマツキヨのARGELAN意外といいですよ」とか教えてもらったり)、インスタの話とか、ゲームの話とかを適当にしている時に、「わたしタトゥー入れようかと思って」という話を聞いた。「Inkboxっていう2週間くらいで消えるタトゥーがあって、かわいい絵柄もあって結構よかったんで、あんな花の絵柄を入れたいなって思ってて」という話から、もうInkboxは買うことができないけど、INKARTLINKという似ているものがあって、それを早速買ってみようという話にまでなってしまった。
タトゥーらしい悪っぽいデザインや花なんかだけじゃなくて、ちょっとかわいい猫の図柄もあったので、まあ目立たないところに貼ってみようかなと思って一緒に買った。
それはジャグアタトゥーというもので、南米の植物成分を使ったもので、シールのように貼って濡れタオルで少しの間押さえておくと角質層に染み込んでいき、2-3週間はこすっても洗っても消えることがなくて、そのうち肌のターンオーバーで徐々に消えていく、というものだった。

左足首の内側に黒いフワフワとした猫のタトゥーが入っている

ということで数日後に届いたから猫の図柄を左足の足首の内側に貼ったんだけど、思っていた以上にかわいくて、うれしくて何度も確認してしまい、しまいには人に見せたいとまで思うようになってきてしまった。これは誰かが入れているものを見るだけではまったく伝わらない感覚だと思った。
これまではタトゥーを入れたいという話を聞いても、あそうなんだ、いいんじゃない。でも銭湯とか大丈夫? みたいなことを思ってたんだけど、やっとタトゥーを入れたらかわいい、という感覚がわかるようになったのだった。

橋本治「輝ける星の下に」の書影

先週の金曜日の発売日に地元のジュンク堂に1冊だけ置いてあったのを買った、橋本治の奇跡の新刊小説「輝ける星の下に」を読んでいる。
そうしたら、一番最初に収められている「牡丹華(ぼたんはなさく)」が、タトゥーを入れようとするとても若い女性の話で、ちょっと驚いた。
ジャグアタトゥーをする前だったらもう少し違う感じ方だっただろうか、とか考えながらも、橋本治はいつもの調子で否定も肯定もせず、なぜ主人公がそう思うようになったのか、について、何気なく思えるようなエピソードを読んでいて怖くなるような精度で積み上げていく。
誰かのことを「理解」するというのならここまでしなければいけないと言わんばかりの橋本節で、それがこんな短い話で発揮されていることが本当にすごいと思うしかなかった。
その次の定年を迎えたばかりの夫婦を描いた「チューリップが咲くまで」もそうだけど、どれも、この人はなんで自分のことを知っているんだ、という感覚に陥って、身につまされてしまう(のもいつものことだ)。
こっちの短編は、「人生とは」ということについてもしかしたら初めて考えることになってしまった人間の物語かもしれなくて、これまた自分の現在の気持ちとなんかつながっているような気がしてしまうんだった。
しかし、橋本治の新しい短編がこんなに読めるなんて本当にうれしい。
勿体ないと思いながらも、どんどん読んでしまいたくなる。