うさぎ式読書日記240821

夕方の駅前

昨日は仕事の帰りからずっと悪かった心の調子が一段と悪化してしまい、帰り道も家に帰ってからもひどい落ち込みと合間に希死念慮が覗いたりと、今年になってからずっと続いていた落ち込みの中でも多分一番ひどいというくらいまでに来てしまっていた。
帰ってからもなんか色々思い出したり想像したりしながらベッドの上で転がったり、近寄ってきた猫を自分の方に引きずり込んでしばらくくっついたりしていた。

やだなあ、男の更年期とかいうのなのかな、とかも考える。
男でいるということは嫌なことばかりだと思う。
これがもし自分の肉体が女性だったら、女でいるということ「も」嫌なことばかりだと思うような気がする。
生きてきて基本的に自分のことが信じられず、他人からの評価さえ疑ってしまうような人間なので、こんなに悪いときは内外関わらず、自分であることのすべてが耐え難くなってしまいそうだ。

そんな精神状態だったので、夜はほとんど寝られなくてショート動画を漫然と眺めたりして一晩をやり過ごして、朝にはひどい頭痛だった。
仕事に行ける感じではなかったので、社内SNSで金曜日の休みを今日に変更してもらい、休みにした。

ずっと寝てようと思っていたけどなんか寝られず、起きてコーヒー淹れて飲んでそこらへんの本とか漫画とかを読んだり、入力していなかった読んだ漫画を読書メーターに入力したりした。
「あさぎ色のサウダージ」1巻とか、「冷たくて 柔らか」の1-3巻とか。ちょっと前に読んだ「佐々田は友達」と「あさぎ色の―」はどちらも性別に違和や苦しさを抱えていたりする主人公だったし、「冷たくて―」は同性を好きになりそうな気持ちを抑え込んだ過去を持つ女性が主人公だった。
どれも、面白そうだと思っただけでそんな属性の主人公の漫画だとは知らなかったのだけど、なにげに読もうとしてそんな漫画を手に取ってしまうんだなあと思ったり。
でも、もうこういった漫画を職場の同僚に勧めたりしにくいなあ、ってことは思う。
自分が読むいろんな漫画を同世代の同僚(女性)にたまに貸したりしているけれど、どうだった? とか聞いたりしてその反応を見ていたら、漫画を楽しむときに、SOGIの揺らぎみたいな要素って邪魔でしかないんだろうなってことがわかるようになってきたからだ。
「佐々田は友達」は、おじさんになりたい女子高校生が主人公だけれど、それはあくまでも(重要だけど)一要素として扱われ、「スキロー」のように登場人物それぞれの学校生活がメインに描かれる漫画だ。
そのことは、ジェンダー・アイデンティティの揺らぎが特殊なものではなく、もう生きていく苦しみの一つとして並列的に扱われるようになってきたということを示して(いきたいと作者が考えて)いるのかもしれないとも思ったりするんだけど。

今の職場は福利厚生がしっかりとしていて、大多数が結婚して子供もいるような人たちだ。
そういった人たちが時折無自覚に発散する悪気のない正しさみたいなものが、自分や自分のようになにかの揺らぎを感じているクローゼットの同僚にとって暴力であったりしながら、そんな思いをしないで済むような職場なんてこの国には存在しないだろうなと考えたりもする。
共感はしないけど理解はする、でも正しい気はするけど、そういった情報ってどちらかといえば余計で言ってほしくないような情報なんだろうか、とか、みんなもう、そういったアイデンティティに関することで悩むような時期をとっくに終わらせて次に行っていて、50歳手前の自分だけが、いまだにこんなことを、そして多分死ぬまでぐだぐだと言っているのかもしれないな、とか、漫画のこと一つで調子の悪いときには延々と考えてしまうんだった。

One thought on “うさぎ式読書日記240821”

  1. お疲れ様です。
    私は長いこと無職で、いわゆる「普通の」家族持ちの人とは縁が無くて、悪気のない正しさみたいなものに殴られることはあまり無いんですけど、ものすごくストレスだろうなあと想像します。
    私は性別は女ですけども、「女の子なんだから〜しなさい」等言われずに育ったので、ジェンダーとか気にしないで生きてました。
    小3の時に痴漢にあったり、小6までは男子と一緒にサッカーやれてたのに中学生になったら体力が敵わなくてやれなくなったりして、「なんか変だ」とか思ってました。
    自分はずっと自分のままなのに、周りの他人が「こいつは女だ」ってジャッジしてるのが違和感だったんだろうなと思います。
    話が逸れますけど、朝ドラの「虎と翼」で今、同性カップル(男性)とか性転換手術して女性になった元男性とか、男になりたい訳ではないけど女を捨てたかった女性とか、マイノリティの人たちがフォーカスされてます。snsではマジョリティ側の人たちが毒吐いたりしてますけど。
    土曜日に、今週1週間分の総集編をやるので、見てみるのも良いんじゃないかなと思います。
    こういう言い方は失礼かもしれないけど、うさやまさんはものすごくまともだと思います。
    考えたり、落ち込んだり、傷ついたり、出来るのはまともな人だからだと思います。
    一般多数側の暴力はなかなか変わらないと思いますけど、うさやまさんみたいな人が一人二人と増えていったら、もうちょっとましな世の中になるんだろうなとか思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

空
NIKKI

うさぎ式読書日記240826

苦しい毎日が続いている。先週は、部署の中で探しても全く出てこなかったファイルが自分の机付近から発見されたり、まだ届いていないと言ってきた請求書が自分の書類の束の中にあったりした。特にファイルは自信を持って「僕ではないと思 […]

Read More
アイロン台に横たわる猫
NIKKI

うさぎ式読書日記240725

今日は打ち合わせとか会議とかが3つもあるうえに、締切の近い仕事もあってなんかすごく忙しかった。引き続きとっても気持ちの状態が悪くて、とにかく仕事の時間以外は悲しくて仕方がない。いつも仕事の帰りに悲しくなるのだけど、今日は […]

Read More
飼い猫のアサが体を伸ばして寝そべっている
NIKKI

うさぎ式読書日記240715

先月の半ばあたりから、またもやメンタルが安定せず、仕事の帰りにバスに乗っている時なんかに、生きることとかこれからのこととかをずっと考えて、それからそういった努力を諦めてしまおうかとか考えてしまう。今年は本当に駄目だなあと […]

Read More