うさぎ式読書日記250216

今日は日曜日だというのに比較的早めに起きて、日曜日しか作らない朝食みたいな朝食を作って食べ、昼過ぎからJRと地下鉄と市バスを乗り継いで出町柳まで行く。

ギャラリーの壁に大小のドローイングやクロッキーが額装や小さな紙片など様々な形で張りつけてある
片手を上げたり脚を抱え込む裸の女性のドローイングや、石を持った水着姿の少年、寄り添う男女の顔を描いたドローイングなどが展示されている
相方がトイレに行っている間にビルの缶を持ってあげている、トイレ前のおじさんたちを描いたスケッチ

そこから歩いて、トランスポップギャラリーで開催している石山さやかさんの個展「ストレッチ」に行ってきた。
去年東京のブックギャラリーポポタムで開催された「ストレッチ」展の巡回展、というよりは、展示内容が結構変わっているような印象だった。
ポポタムでの展示はノートをちぎったようなものがたくさんあったり、もしかしたらファンが一番見たかったんじゃないかと思えるような生っぽいドローイングが多くて楽しかったのだけど、この京都での展示はそういったものをベースにしながらも、より方向性や、この間の変化とか深化みたいなものが印象に残った気がして、見に来てよかったって思った。
どのドローイングも身体の質感が素敵で、描線の雰囲気を拡張したかのような造形とかもよかったし、そんな中に、トイレに行っている間にビールを持ってあげているおじさん同士、という場面のスケッチとかが紛れ込んでいて、そんなことも含めてよかった。

リソグラフの多色刷りで印刷された芝生の植えに寝転ぶ黒い下着をつけた2人の女声のイラスト

メインビジュアルとして(たぶん)制作された、2人の女性が芝生に寝転ぶモノクロのイラストがあって、すごくかわいいなあと思って見ていたんだけど、物販コーナーに彩色されたものが売っていた。
リソポスターと書いてあったので、店主の方に「これってリソグラフで色をつけたんですか?」って聞いて、そのあとリソグラフでとても厳密に色版を合わせていく調整方法などについて伺うことができた。
リソグラフでの印刷は、1色ずつカラードラムを交換しながら同じ紙に何回も印刷していくために、ものすごく位置合わせが難しく、普通はズレるものだ。
まあでもそれがいい味になってレトロっぽくていいというくらいの感覚でやるものだと思っていたんだけど、このトランスポップギャラリーでやっていることはそんな版ズレを極限まで少なくする、本当にリソグラフを使った職人技みたいなものだということを、実際の制作物を見せていただきながら教えてもらった。しかし、どのzineやポスターもたしかに色合いはリソグラフなんだけど、恐ろしいくらい見当が合っているんだった。
そういえば、芳名帳を見ていると岸政彦、てらいまき、カシワイ、スズキナオ、スケラッコといった関西在住とおぼしき作家の人達の名前が並んでいた。横山雄らしき名前もあったり。スケラッコとスズキナオの名前は並んで書いてあって、本当に仲がいいんだなあと思ってほっこりしたりした気持ちになったり。

そのあと、また出町柳の方に歩いていって、ついでだからと鴨川デルタまで降りていって、しばらくゆっくりした。
デルタのちょっと高台になっているところに座って、飛び石を走っていく犬とか、サギがかわいくない鳴き声を出しながら川の中を飛び移っているところとか、子供が父親とメダカ採りをしていたりするところを見ていた。2月の中旬にしてはなんか全然暖かくて、いつまでも座っていれそうな気がした。
人は多かったけど、観光客、というよりは地元の人たちが勝手に楽しんでいるような感じがしてとても良かった。
なかには「なごり雪」を大声で放歌する人とか、カウボーイハットにサングラスでキメた格好で青いヨーヨーを上下させながら陽気に歩いている初老の男性とか、ウクレレをずっと練習している人とかもいて、それが全然カオスにならないのは自然の力なんだろうなあと思ったりした。

せっかく京都に来たんだし、と近いくせになかなか来ないから偶に来ると無理して色々行ってしまいそうになるけれど、気分もいいし今日は素直に帰ろうと思って、そのあとバスで京都駅まで行って、素直に電車に乗って家に帰ってきた。

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