うさぎ式読書日記2506165

ベッドの縁に手を置いて伸びをする猫

今朝は過去のトラウマティックな記憶に起因した悪夢を見て、さんざんうなされた。
目が覚めて、「ミザリー」を見終わったあとかのような気持ちになった。
日曜日もかなりの時間を睡眠に費やしたのだけど、それでもなかなか疲れは解消されなかったりする。
数週間前に高速バスでコミティアに行き友人と会い、また高速バスで帰ってきたり、当直明けに友人と神戸に行ったり、久しぶりにシェア型書店の店番を8時間やったりで、考えてみれば1日休息するという日がこの間ほとんどなかったしなあと思う。
昨日は猫がうっかりベランダに出てしまったうえにお隣とのバリアの下の隙間から姿を消してしまい、呼んでも帰ってこないという事件があった。
諦めて部屋にいると、見聞きしてきたものを報告しているのかすごい鳴きながら部屋の中に戻ってきたので飛びついて体をとっ捕まえて、ギャーって鳴いているうちに急いで窓を閉めた。
そんなことがあったので、今日は外に出せと朝からすごくうるさい。

先月は同僚が「昔読んで良かったので」と言って貸してくれた「わたしを離さないで」をずっと仕事の行き帰りに読んでいた。
全然派手な話じゃなく、主人公のキャシーが過去のなんてことのない、でも興味深く聞いてしまうようなエピソードをいくつもいくつも語っていきながら物語が進んでいく。
人生がそうであるように、この物語も全ての過去は現在に関連づいていて、主人公たちの置かれた立場がどうであれ、最後にはキャシーもトミーも、ルースでさえも自分でしかないように思わされる。
こうありたいとかこうありたかったとか思いながら生きた彼らの人生は、私達のそれと一体何が違うんだろうかって思った。

あとは、コミティアで買った成果物を全部読んだり(別で書く)、あとは本屋lighthouseの通販で買ったブラックの「労働廃絶論」を読んだりした。
「労働は健康に悪い」なんていう冗談を職場でしたりするけれど、そういった実現不可能な大仰な話を言い放ってみる、という感じかと思ったら、読んでるうちに相当この人は真剣に、他人に強制される労働というものを全廃することが社会問題をほとんど全て解決するんだと思っていることがわかってくる。
そして読んでいるうちに、労働をやめることで労働による病気も交通事故も、過剰生産による環境破壊も富の偏差も本当に解決するような気がしてくるんだった。
本の半分は本論の解説編になっているんだけど、本編でちょっと具体性に欠けるなあ、と思いながら読んでいた各部分を見事にケアしていたりする。
労働を廃絶したらエッセンシャルワークのような仕事は一体どうなってしまうんだろうって思うけれど、ブラックは全てを強制されない「遊び」に転換して行くべきなんだと主張する。
働くっていうのは嫌だしもうやめたい、っていう当たり前の感情で読み進めながらもいつの間にかコミュニズムやアナキズムにもつながっていく考え方を理解できるという意味でもなかなか興味深かった。

それと、ばったんの「そしてヒロインはいなくなった」の最終4巻も読んで、ほの悲しいけれど堂々とした終わり方がとてもよかった。
ばったんの漫画は読んでいると自分の乙女心が全開になるなあって思う。
こんな時代にこんなに堂々と女を描いちゃうんだなって思いながら、それでもこういう漫画がとても好きだ。

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